第7話

鹿児島へ到着した。

屋久島行きのフェリーはここから出発する

早速乗船です



屋久島へ向けてフェリーにのった僕は例によって船内のチェックに出かける

鹿児島から屋久島までの距離は大した距離じゃない

にもかかわらず 船はやたらと豪華だった

ラウンジはあるし、レストランは付いてるし
ゲームコーナーに、船内映画館までついてるの!!

しかし、上映している映画ってのが松方弘樹主演の
 「黄金の盗賊」 ってのと
アニメ映画
 「 めちゃんこドタコン 」

2作品とも とてもマニアック!!



でも、きわめつけは 宇宙一の
「銀河疾風サスライガー」という奴でした(笑)

どれ一つとっても、聞いたことの無い物ばかりで北海道との文化の違いを感じちゃうぜ

残念ながら 今日はメンテナンスで 
上映は中止・・・

しかたなし 僕は デッキへと向かった


快晴の天気の中、船は順調に進み約3時間の航海ののちに 無事屋久島の宮之浦港へと到着した

屋久島なんて どうせ小さな島なんだろうくらいにおもってた僕は大変驚いた

だって 町には工業用の高い煙突まで見えている。

港から続く道路には 乗用車が 絶えず往来してるのも確認できた
「へえ 結構 屋久島もやるじゃん 」と変に感心してみる

さて 感心してばかりもいられまへん

行き当たり ばったり の旅なので当然今晩の 宿も決まっていないのだ

フェリーには 車を乗せなかったので泊まるところを決めないと 今夜は完全に野宿・・・・。

視線の中に ちらっと 道端のダンボール紙が見えた・・・。

「 ・・・・ 」
( 早く宿探そう・・・)


僕は バックを肩に背負い 歩き始める。

9月とはいえ 屋久島は まだ セミが わんわん 鳴いていた

そうです 
猛烈に暑いんですよ

背負ったバッグの重さと 暑さの両方と戦いながら僕は さらに歩いた

宿に泊まるには 金が要る

財布の中身を先に確認してみるとなんと 5000円を下まわっているではないか!!

これでは 宿代はともかくとして飯代がでない。。。

島の中を見物してあるくには 入場料金のかかる施設だってあることだろう

軍資金を調達せねば・・・

北洋銀行を探し辺りをみまわす・・・
あるわけなし・・・。

ぐふふふふ

そんなこともあろうかと ちゃんと事前に北洋銀行から 郵便局へと 預金は移してあるのじゃ

郵便局は どんな離れ小島にでも 開設しているので旅人には 
絶対的重宝バンクなのだ

かくして 郵便局探しです

見渡したところ それらしい建物は 無し

そのかわり 近くに 
美しい20代女性が歩いているのが見えた

僕は くったくのない笑顔を武器に 彼女に近づく・・・。

彼女も何故かこっちをみて笑っている

これってもしかして 
(LOVE)?

とにかく その女性に近づいて 郵便局のある場所を訪ねた

どうせ 道をきくなら 美しい女性と心に決めている

ロマンスのきっかけは 何処に転がっているかわからないからな

あんがい この娘さんが 
「 泊まる所決まってないなら あたしの家に来ない?
   一人暮らしだし 部屋あるよ うふん 」

なんてことにならないとも 限らない

むふふふふ

彼女と話していると彼女の 友人らしき女性まで 話しに加わってきた

これまた 美人さん!

僕は 一時の 
ハーレム状態に酔った・・・。

なんとなく 深呼吸しちゃった気もする(笑)

会話は弾んだ

たぶん気に入られている

でも・・・

残念ながら ジェントルマンを気取ってしまったため
「 良かったら 君の家に泊めてくれませんか? 」の台詞までは 言えなかった 

この旅 最初の後悔の場面なり。

あの時 声をかけていれば

今ごろ 僕は 屋久島で 果樹園でも手伝っていたかも・・・。

人生とは なんて いたずらな ものなのだ

後ろ髪引かれる思いで 彼女達と別れ 郵便局までの道を歩く

少し歩いて 振りかえると 彼女達も まだこちらをみて手を振っている・・・。

僕は もう一度 大きく手を振った。

さようなら・・・・。



これでいい

 これで 良かったんだ




自分に 何度もいい聞かせる
 
この通りの角を 曲がったら もう彼女達の立つ場所は見えない

最後に もう一度 彼女達のほうを 振りかえる

彼女達は まだ そこに立っていた

互いに 動けなかった・・・。

と 次の瞬間

最初に僕が 声をかけた 女性が こちらへ 全力で 駆けて来る

僕の体も 自然と動き出す

あぁ 僕達は出会ったしまったんだね・・・。



なぁんて こたぁ 勿論無かったんだな これが。

単なる 僕の妄想です(笑)

さっさと 郵便局へ行くとしよう



郵便局までは 歩いて 15分程度だった

鹿児島よりも 南にある 屋久島の陽射しは強くて、気温は9月だというのに 30度を超えている

同月の北海道の気温とは ずいぶんと差があるもんだ

同じ日本の中にいるのに こうも違っていいもんか!

と 重たい荷物を担いで 汗を流し ふーふー 言ってる若者は気温差に八つ当たりしていた

道路脇の セミの声が一段と大きく聞こえる
「 うっせ〜な〜!!」

セミの声が大きいはずだ

歩道に植えられてる 街路樹にとまって鳴いてるんだもん

ただし 背丈が 1m程度の木です

そうです 自分の 体のすぐ横で 鳴いてるわけさ

そりゃ うるさいよな

しかも この辺の セミは すれてないから 

近づいても いっこうに 鳴き止まない

いつまでも うるさく 鳴いてます

こんな 田舎チックな 郵便局にも ATMがあった

我、軍資金の調達に成功せり



ついでだから 郵便局員に近所の宿を聞いた

近くにあるらしい

サンキュー ♪



近所とはいえ やはり歩いて行くしかない。

また 歩きだ・・・・。ぐすん



僕は頑張った

頑張ったから 宿についた 

 僕の泊まった宿の人達です⇒ 


荷物もやっと降ろせた

今回の旅の中、ここまでの工程で一番ほっとした瞬間だった。


続 く




小樽観光「樽樽源トップページ > サイト製作者ちゃきさん > プロフィール紹介 > 僕の旅日記表紙 > 第7話