第39話

ひめゆりの塔は
「 ひめゆり学徒 」の方々が戦火によって 非望のを遂げたことを奉る場所だそうです。

この塔は、僕が想像していたよりもずっと
小さな塔でした。

     

塔の横っちょに建っている戦没者名簿を刻んだ石碑の方がずっと大きかったですよ。


塔や石碑のそばには
防空壕もあるそうで、ひめゆり学徒達も実際にこの壕を使ったらしい。

ここでも沢山の方々がなくなったのだろうな・・・。

僕は手に持っていた花束を献花して静かに合掌した。


 どうか2度と日本で戦争が起きませんように・・・。
  どうか世界から戦争がなくなりますように・・・。



合掌し黙祷をささげる僕の横では、何処かの修学旅行生だろう制服姿の学生さんが
ピースサイン片手に満面の笑みを浮かべて大はしゃぎです。

この人達はいったいここへ何をしに来たんだろう・・・。



僕が遺族の一員であったなら、この光景は耐えがたい気がしました。

日本ではこういったモラルの欠けている若者が増えてしまったように思います。

僕も自分自身が若かった頃にここを訪れていたら、同じことをしていたのだろうか・・・。


 
背丈が高くなる成長
  物事の背景にある大切なことが見えるようになる成長




成長にも二つあるように感じます

僕も多少は成長してきたってことかな?


先ほど騒ぎながら記念写真の撮影をしていた若者たちも いつの日か ちょっとだけ成長した後でこの地を訪れてくれないものだろうか。

その時に、もう一度この塔の前へと同じように立ってみて欲しいなぁ・・・。

僕は、去って行く彼らの背中が遠のくのを ただじっと見送りながら そんなことを願っていました。




つづく




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