第38話
「 ひめゆりの塔 」へ着くと同時に、とうとう雨が降り始めた。
それもものすごいどしゃ降りです。
スコールって言うのかな?
とにかくすごい雨の降り方で、バケツをひっくり返したようなという表現がぴったりくる程です。
僕はずぶ濡れになることを避けようと雨宿りすることの出来る場所を探す・・・。
どっかないかなぁ・・・。
ひめゆりの塔への出入り口付近には献花用に花を売っている売店があります。
雨宿りはここだな むふっ♪
花屋の軒先で雨宿りをさせてもらいながら
売り子のおばちゃんと話してみる。
売り子のおばちゃん:『 あんた どっから来たのさ 』
( 決まりきった台詞だ )
僕:『 札幌からです 』
売り子のおばちゃん:『 あら 遠い所から来たね 』
( これも決まりきった台詞です )
おばちゃんとの会話はさらに続きます
売り子のおばちゃん:『 こっちは暖かいでしょ 』
( これもまた決まりきった台詞ね )
僕:『 暑いくらいですよ 』
( これをまたまた決まりきった台詞で返す )
こんな決まりきった会話をしばし楽しんでいると幾分雨は小ぶりに成りはじめた
花売りのおばちゃんが言うには、ここいらのドシャ降り雨は長くは続かないとのこと
『 少し待っていれば時期に止むよ 』と教えてくれた。
その上、献花のお花を買いに来るお客サンの邪魔になっているかもしれない軒先に突っ立っている僕を邪険にもせず、快く雨宿りを続けさせてくれました。
良い人だぁ
5分ほどたっただろうか。
雨は止みこそしないけれど小雨程度には落ち着いてきました。
この程度なら歩き回っても大して濡れそうにない。
僕は雨宿りをさせてもらったお礼を言い
花束を1束買い求めて店を後にしました。
サンキュー 花屋のおばちゃん♪
僕は自分にはちょっと不似合いな花束を手に
小雨にけぶり静かにたたずむ「 ひめゆりの塔 」へと歩いてゆきました。
つづく
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