■エピソード21
展望所へあがってから


展望所には 先客が居たよ。

だけれど その後ろ姿には どこか見覚えがあります。

相手の方も、誰か人のやってきた気配を感じ取りこちらを振り返りました。



っと その瞬間!



小樽の街に



奇跡
がおこった・・・。




(;゚□゚)
お お お 
乙女ちゃんじゃん♪


な な な なんで居るのぉ?!

とにかく
(^▽^ )
うわぁ〜い☆


この瞬間・・・。

観光都市「小樽」
の上空5000フィートの位置で住吉神社の神と鼻なで天狗さまの両者ががっちりと肩を抱きあいグッと親指を立てたうえ、
にかっ♪
っと笑顔を見せたことを、小樽市民の誰も気づくことはありませんでした。


か か 神よ・・・。

天狗さまよ・・・。


貴方たちは何と手の込んだ演出を好まれるお方達なのでしょう。

コノコノォ♪
(”>ω<)っ))
憎い演出しやがってぇ〜☆

ちょっと涙出ちゃったぞ俺。


僕は粋で小洒落た神業をもつ小樽の神々に深く感謝しました。

(*^∇^)
あとでお礼参りしてこようっと♪


その後
「なんでここに居るの?」
と素朴な疑問を僕が尋ねると、彼女はこう答えてくれました。

乙女ちゃん:
展望所にはたまにイタズラ書きされちゃうから気になっていて・・・。
今日は私お休みで暇だったから頑張って消しちゃおうかなぁって来てみたの。
お店へ来てくれた方が書いたものだしムゲに怒れないものね。
私が消してあげれば イタズラ書きも最初から無かったことに出来るでしょ。
そうすれば 書いたお客さんの罪も無かったことにできちゃうかなぁ〜って思ったの♪
おかしな理屈でしょ。
私 馬鹿なんだぁ
(*^∇^)
えへへ☆



お お お 乙女ちゃん・・・。

キミって奴はぁ・・・。

一体 どこまで樽樽源読者の好感度を上げれば気が済むんだぁ!

(o≧∇≦)o
反則だぞぉ!

惚れるなと言う方が無理があるじゃないかぁぁぁぁ!

ちなみに キミはちっとも馬鹿じゃない!

素敵すぎるほどに素敵だぁ!

馬鹿なのは デッキブラシで空飛んだり リベン爺さんとか名乗ってるオッサン1人で充分さ。

馬鹿はオイラに任せとけぇ!
んぐっ p(>ω<p;)



そして その後・・・。

乙女ちゃん:
はい ちゃきさんの分 ♪

ちゃきさん:
(;^∇^) へっ?


乙女ちゃんから手渡された物は消しゴムでした。



あれれれれぇ。

こんな予定じゃなかったはずなんだけどなぁ。

まぁ こういうのもありかな。

なんか楽しい作業になりそうだしね。

(^▽^
うんうん。


それからは 二人仲良く消しゴム作業です。

作業の途中で展望所の窓から見た小樽の海景色には、帆に風を一杯にうけ船体を傾斜させたまま帆走してゆくヨットの姿が見えている。



素敵な街だよな小樽って・・・。


その後も消しゴム作業は続きます。

二人の手にした消しゴムの大きさがドンドンと小さくなってゆくほどに、二人だけの時間が大きくなってゆくのを感じてる。


消しゴム・・・

もっと大きかったら良かったのに・・・

(ー ー

消し消し 消し消し・・・。



間もなく展望所のイタズラ書きは全てなくなりました。

僕らの消しゴムも同時に消滅です。

ちょっと取って置きたかった気もするな。

(^^ )
ちぇっ 残念・・・。



すると今度は乙女ちゃんからこんな提案が・・・。

乙女ちゃん:
ちゃきさん 有難う☆
ねぇ ちょっと時間ありませんか?
チョコレートドリンクでも飲みに1階のショコラバーへ寄っていきません?
私が作ってあげますよぉ〜。
美味しいんだからぁ♪


ちゃきさん:

それはいいね。
じゃあ作って貰うことにするよ。
(^▽^
美味しく作ってね☆


ってないきさつから今度はLeTAO本店の一階にあるショコラバーへと移動。

上空に待機中の神々が
見えなくなるじゃないかぁ
ぶ〜ぶ〜(´・ω・`)
と文句を言っても知りません。

タイミングを逃すんじゃないぞ!と教えてきたのは貴方達なんですからね(笑)



甘ぁ〜いドリンクさ☆ 

うまうま(^▽^なのら


ショコラバーで楽しむ チョコレートドリンク。

乙女ちゃんは
chocolat chaudのRegere
というホットチョコレートを。

僕は飲んだことが無かったから
chocolat froidのBlanc
を指定。

こちらは白くて冷たいチョコレートドリンクです。


初め白いチョコレートドリンクと言っても、ホワイトチョコをただ溶かして飲むだけの物だろうくらいに想像していたんだけれど、その味はもっとクリーミーなテイストでものすごく美味しかったです

何より乙女ちゃんが大事に作ってくれたドリンクだったから、そんな美味しさもより増したのかもしれないね。

サンキュー♪

チョコレートを楽しむ時間は幸せを楽しむ時間



ショコラバーでの会話はとても楽しいものでした。

さっきまでの作業のことを話したり、自分達のこれからの目標を話したり。


途中 30代後半かな?
と思わしきイケメン男性綺麗な女性を連れてやってきます。

途端、乙女ちゃんが席を立ち上がって彼らに挨拶をはじめたよ。

誰なんだろう・・・。

(^^ )
まぁ いいや

取り合えず僕も会釈くらい返しておくとしよう。

ぺこりん♪


乙女ちゃんが本日の私服姿での登場のいきさつについて何か説明をしています。

ん?

なんだ?

どうしたんだ?

(;^_^)σ誰その人?



先ほどまでの消しゴム作業などを軽く説明する乙女ちゃん。

僕が手伝ってくれていたことも話しています。


するとそのイケメン男性は僕の方へと向き直り、深く頭(こうべ)を垂れてお礼を言ってくれました。

イケメン男性:
それは それは ありがとう御座いました 
(ぺこりん♪)


(: p^ロ^)p
あややややや

別に率先して手伝ったというわけではなく、成り行きといいますかぁ 不純な動機といいますか・・・。


そして その後のイケメン男性は、ふいに乙女ちゃんが座る席のそば、カウンター上に置いてあった伝票へと手を伸ばしこれを
クシャクシャぽい♪
っと丸めて捨ててしまいました。

ちゃきさん堪らず声を出します。

(つ;^о^)つあっ!

そんなことしちゃ駄目です!

乙女ちゃんがられてしまいますよぉ!



すると このイケメン男性はこういいました。

イケメン男性:
いいんじゃないの?
だって僕
LeTAOの社長だもん。
素敵な笑顔
あっ それと連れは僕の妻です。
ちなみにしてます。
てへっ♪


えっ!
∩(^^;∩)
まじでっ?!


社長 お若くみえますな・・・。



ちらっと 傍らに立つ乙女ちゃんの姿へと視線を移すと 笑って頷き返してくれてます。

どうやら本物さんらしい・・・。

なはははは。


その後、これからも頼むぞとばかり乙女ちゃんの肩をポンポンと叩き、僕へは固い握手を交わしたのち
「 じゃあ また♪ 」
と言い残して颯爽と立ち去ってゆく社長さん

手じかな場所に立っていた他のスタッフへ
本日の彼ら二人のドリンク代は受け取らないように
とわざわざ指示まで出してくれた上で その場を去ってゆきます。

後に続くお連れの奥さまも
「これからも
LeTAOをどうぞご贔屓に☆」
と会釈をしたのち、彼のあとへと続いてゆきました。


ちょっとしたハプニングな出来事だったけれど 思いがけない人に会い、思いがけず得しちゃったらしいです。

にゃはははは
(^ ^)
ついているのだ☆

ちゃきさん本日超ラッキーデーかもしれません。


これも 住吉会天狗一家の面々の計らいでしょうかねぇ〜♪

キミたち偉い!

とにかく社長さん奥様ご馳走さまでした。
m(__)m


その後は たった今おきたハプニングな出来事なども会話にまじり、さらに楽しい時間がつづきます。

きっと周囲の方々が聞いていたとしても、その全ては他愛も無い会話だったことでしょう。

それでも2人にとっては、そのどれもがキラキラとして輝いた会話だったんだ。


途中 彼女から話される会話中にこんな言葉がありました。

乙女ちゃん:
私は売り子さんで商品製作ではあまり活躍できないでしょ。だから
こんな売り子さんからだったらまた買い物したいなぁ
って思ってもらえるような店員になりたいの。
でも なかなか難しいのよねぇ・・・。
どうしたら良いのか判んないもん。
うんうん 判んない。
σ(´・ω・`)


その時のチャキさんは無言で笑ってました。

でもね 心の中ではこう思っていたんだよ。

そのままで良いんだよ。
充分過ぎる程さ☆

(^^ )
と・・・。



どんなに頑張っても無理なことってのがある。

その一つが時を止めること

この時の時間も、誰も止めることはできません。


間もなく手もとのショコラなドリンクもなくなってしまいそうです。

2人で一緒にいる時間も残り少ないってことだ。

たとえ止めることなど誰も出来やしないと判っていても願うだけならば構わないはず・・・。


誰か 時を止めてください・・・。
(*^ ^*)



っとそこへぇ〜。

一匹の綺麗な蝶が店内へと迷い込んできました。

そしてその蝶はふらふら、ゆらゆらと舞いながらも、真っ直ぐにチャキさん目指して飛んできます。


ひらひら ひらひら・・・。


その後、蝶はそのままチャキさんの肩へと留まりました。


蝶:
ちょと あんた!


ちゃきさんの声に出さない心の声:

(うわっ なんだぁ 蝶が喋ってるぞ!)


蝶:
声出すんじゃないわよ、いいわね。
びっくりさせてゴメンナサイ。
実は私ロマンスの神様です。
にやり


ちゃきさんの声に出さない心の声:
(ええ!一度は見捨てて立ち去った貴女が何故に今ここに!)


ロマンスの神:
住吉の爺さんとか天狗のおっちゃん達にばかり活躍されたらシャクじゃないのさ。
あたいも手伝ってあげるわ。


ちゃきさんの声に出さない心の声:
(それは有り難いんですが どうするんです?)


ロマンスの神:
やるべきことは貴方自身が知ってるはずよ。
自分で考えなさい!
甘ったれるんじゃないわよ
私はあくまでもそれを言い出せるように気合を入れにきただけよ。
いいわね覚悟なさい。



ロマンスの神さまがそう言い終わるか終らないかというタイミングで、蝶の姿はみるみる変化してスズメバチのお姿へと変わってゆきました。


ちゃきさんの声に出さない心の声
(なんだかオイラ・・・すごぉ〜く嫌な予感がします)


神様のお尻からは、鋭い針がキラリと輝いて見えている・・・。



やっぱり嫌な予感が的中しそうな気配が濃厚に・・・。

(^^;) 

や や やめて
そんなやり方・・・。


そんなチャキさんの懸念をよそに、間髪いれずに気合を注入するロマンスの神。


次の瞬間!

ブスリ!

チックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!


(;゜□゜)
ぐはっ 
っ!



そりゃあ 声も出るってもんですよ 神・・・。



するとそんな経緯を知らない傍らの乙女ちゃんから心配そうな声がかかります。

乙女ちゃん:
どうしたの急に?
大丈夫?


ちゃきさん:

あ・・・
いや・・・
なんでも無いんです・・・
ちょっと・・・ね。
あっ、キミは神とか信じたりするほう?



ちゃきさんの不甲斐ないお返事が出ました。

これに対してロマンスの神も容赦ありません。

すばやく第2波の攻撃に備えた針刺し準備体制へと入ります。


ロマンスの神:
さぁあと何回ブスリといきましょうかねぇ。
おほほほほほほ♪


ちゃきさん:
うあぁ
(;゜□゜)
言います 言います!
ちゃんと言います!


乙女ちゃん:

どうしたの何を言うの?


ちゃきさん:
実はですね・・・
(>ω<;)

あのぉ・・・。


ちゃきさんモジモジ状態から脱しきれません。

だって心の準備って奴が・・・

(o≧∇≦)o
いきなりなんだもん

きゅ〜・・・。



するとあろうことか ロマンスの神は最終手段に打ってでました。

ちゃきさんの肩の上から飛び去ったかと思うと、今度はすぐ横に座っていた乙女ちゃんの方へと移動してゆく神。


離れ際 ロマンスの神の捨て台詞はこうでした。


ロマンスの神:
あんたの場合はこっち(乙女ちゃん)をブスリとやると脅してやった方が早そうね。
おほほほほほほ♪


(つ´Д`)つ あぁ
ロマンスの神、なんと卑劣な手を・・・。
それだけはやっては駄目。
貴女それでも神ですか。
反則すぎますぞ。


ロマンスの神:
つべこべ言うんじゃないわよ。
さぁ自分を守るか、それとも乙女ちゃんを守るのか。
0.5秒で決めなさい!


 この台詞に対しての決断をせまるかのごとく、さきほどの質問を乙女ちゃんが繰り返してきました。

ねぇ 何を言うの?
何か大事な話し?



自分の身体ならばいざ知らず。

乙女ちゃんへブスリとやらせるわけにはいきません。

ちゃきさんが覚悟を決めて口を開きました。

実は・・・僕。
前から乙女ちゃんのことが・・・。
ええと・・・。
だからその・・・。
ナンと言うか・・・。
良かったら
もし良かったら
僕と 僕と・・・。
お お オルゴールを作りにいかないか?
きっと楽しいよ。
(^^;)
あれれ・・・。



あららららぁ〜

なんと腰抜けで肝心な言葉が抜けたままの台詞でしょうかねぇ〜☆

だけど伝えたかった気持ちは精一杯伝えた台詞にも思えました。

ロマンスの神も今日のところはそれくらいで勘弁してあげるわ☆とばかりにウィンクしながら飛び去っていってくれています。


辺りにはなんとなく気まづく、それでいて心地よい雰囲気だけが残ります。


ちゃきさんもう一度:

良かったら一緒に作りに行かないか?


これに対して乙女ちゃんは
うん・・・
とだけ答えて嬉しそうにハニカミながらうつむいています。


ちゃきさん次にかける言葉がみつかりません・・・。

ど ど どなたか僕の肩を針でブスリと刺してはいただけないものでしょうか。

(;^▽^)ノ
おぉ〜い。
ロマンスの悪魔野郎はどこへ行ったぁ〜。
今なら刺してもいいぞぉ〜(笑)


その後は2人がドリンクを飲み干した時点でLeTAO本店を後にします。

目の前には自作のオルゴール製作を体験することが出来るオルゴール堂本館の姿。



たとえ信号待ちでつかまったとしても、ほんの数分で到着してしまうほどの短い距離でしかありません。

だけれど僕らにとってその道のりは、生涯忘れることのない長く大切な道のりとなりました。


LeTAO本店を出てから 二人がまさに歩き出そうとするその瞬間。

乙女ちゃんがそっと僕の手を取り歩きだしてくれたから・・・。




時が過ぎ、時代が移り変わっても小樽の街に生き続ける。

そんなピュアでシャイな二人の物語

これが僕らのクラッシクストーリーです。



この後の二人はどうなっていったの?

どんな恋愛をしたの?


そんなことは どうだっていいことです。


この小樽という街で2人が出逢い辿った小さなキセキ。

生涯忘れる事の無い想い出の数々。

2人出逢って良かったと思える時を過ごしたこと。


それらが一番の宝物。




この乙女ちゃん物語というお話しは、現実世界で出逢ったたった1人の女の子の為に書きました。

これからの彼女の身に、辛いことや苦しいことが起きたとき、この物語を想い出してくれたなら。

きっと勇気と元気を取り戻してくれることでしょう。



物語の舞台はそのほとんどが洋菓子のLeTAOさんで展開してゆきます。

そんなLeTAOさんの看板には、こんな文字が刻まれているんだ。


Northern
Sweets
 Manner



Manner
というのは流儀や作法・手技といった意味がある。

だからLeTAOさんが提供する商品には北のスイーツの流儀とか手技といった意味があるのがわかります。

このフレーズを借りて、今回の作品にもサブタイトルつけるとすれば、きっとこうなるはずさ。


指一本触れずして
生涯に渡り相手を支え
愛することを可能にする男



それが
Northern
 ちゃきさん
  Manner



北のチャキさんの流儀って奴さ。


くぅ〜格好いい!

(o≧∇≦)o
痺れるぜ兄貴ぃ〜!



この物語の最後は、きっとこの曲が良く似合う。

JUDY AND MARY
『 クラシック 

著作権に触れるから音楽ファイルは張れません。

ご自分でTSUTYAへ出向いてレンタルしてきてください。



また、先に純愛編を読み進めてきて笑える編を読んでない人はこちらからストーリー選択ページへ戻って読み替えてみるといい。

なまら笑えるよ
(^▽^
うけけけけ♪



それでは皆さん、あと書きで再会いたしましょう。
(笑える編からでも あとがきへはゆけます)

あとがきでは乙女ちゃんの正体もあかされているんだぜ。

こりゃあ絶対にチェックしなくっちゃな!


じゃあねぇ〜
==☆((((^ー^*)ノ

先に行って待ってるよぉ〜♪

あとがきへ
れっつら GO ひろみ!

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